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三重県津市でヨガを教えています。ヨガのことだけでなく、日々のいろんなことを書いていきます。


by NAO
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ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ

以前にもテレビで見て、その後原作を読みブログのどこかに本か映画の感想を書いたような気もする。

昨日の朝、この映画をケーブルTVでやっていた。夫がでかけていて、私は娘とお留守番。朝食のことでまたまた娘を激しく叱りつけ、娘いじけて寝室にひっこんてフテ寝してしまった(おそらくまだ寝足りてなかったんだろう)。そんな9時半にちょうど始まったので一人で見た。

私にとって、いろんな方面でいろんなことを考えさせられる映画である。
まず、姉妹っていうのは大変なんだろうなと思う。才能や見た目の可愛さを較べられたりするのではないだろうか。私は女きょうだいがいないのでお姉さんが欲しいと思ったりはしたが、妹は欲しいと思ったことがない。それはお姉さんも同じだろうか。妹なんて欲しくないと思うのだろうか。

天才を自分の肉親に持つ、ということ。これはなんとなくだが想像できる気がする。どうしてもその子中心に家族が回ってしまって、親に注目されない自分を寂しく思いながらもやっぱり自分もその天才児を愛さずにおれない、巻き込まれずにおれない、というような。

以前にジャクリーヌ・デュ・プレの記録映像を見たことがある。金髪を振り乱してチェロを弾く姿が本当にいきいきしていて、この世に生まれて心も体も音楽そのものになる喜びを全身で表している姿がありえないほど美しくて感動的だった。

そんな姿を見ていたら、その後の彼女の運命(多発性硬化症)を思うと痛ましすぎる。私も以前は病んだ彼女を半ば捨ててしまったようなバレンボイムをひどい男!と思ったりもしたが、世界的音楽家として活動するにはそうならざるを得なかったんだろうな、、、と今は思う。

映画の話に戻るが、精神的に追い詰められたジャクリーヌが姉の家で夜中に憑かれたようにチェロを弾くシーン。眠りを覚まされた姉の子供たちの泣き声が入る。それを聴きながら、娘が寝室で泣いているようにも思えて涙が止まらなかった。ほんとーにくだらないことで娘を叱ってしまった自分が情けなくて。

この映画だけ見ると才能を与えられたことが人間として一人の女として、苦痛ばかりであったように思えるが、実際の記録映像では、チェロを奏でるデュ・プレはそれは幸せそうだった。記録映像の中で私が特に印象に残っているのはチェロの先生と一緒になって笑い転げながら弾いているシーンである。
私はデュ・プレを知らなければ、エルガーのチェロ協奏曲を聴くこともなかっただろうと思う。それはおそらく私だけではあるまい。それが音楽家としてのジャクリーヌ・デュ・プレにとってはこの世に生れてきた意味があることだったと私は信じる。
by wumingzhi | 2008-08-31 21:47 | 映画