日々のこと


by wumingzhi
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カテゴリ:Art( 2 )

液晶絵画展

新高速に乗ってドライブしようと家を出たものの、雪で通行止めになっていた(新しく開通した箇所ではなく、それ以前の従来の部分が)。

せっかくのお休み、でも家を出たのがそんなに早くないので遠出もできない、夕食のメニューを決めてあるので早めに帰って料理したい、のであんまり遅くもなれない、ということでなんとなく美術館に行ってみようということになった。小さな子どもを連れて行くところではないかもしれないが、館外の石畳を歩くだけでも娘は喜びそうだと思って。雪は降ったりやんだりしている。

どんな企画展をやっているのか何も知らずに出かけた。看板を見ると『液晶絵画展』とある。
何かよくわからないが、液晶モニター等を使用した映像作品の展覧会らしい。

現代美術はあまり知らないが、先日TVのバラエティ番組でたまたま見たトリックアートが面白くて、「モダンアートもなかなか面白いかもしれない」と思っていたところ。

でもあんまり期待していなかったが(モダンアートに疎いため、難解なのではないかと思っていた)、実に面白かった。
娘が静かにできないので夫が娘を連れて早々にファミリールーム(子どもの遊戯室)に連れて行ってくれて、一人でじっくり見ることができた。

どの作品もみなおもしろかったが、ドミニク・レイマンの『YO LO VI』という作品は強烈なインパクトがあった。もしこれを読んでいる人の中でこの展覧会に行こうと思っている人がいたら(いるのか?)ネタバレみたいになってしまうので詳しくは書けないけれど。
無防備な自分自身の姿を見ることって普段あまりない。鏡を見る時だって、電気店のモニターの前を通る時だって、ある程度意識して自分の姿をそこに見ている。何も知らない自分の姿を目の前にする。考えてみたらこれはすごく変な経験である。深い作品だと思った。

サム・テイラー・ウッド(Sam Taylor-Wood)というアーティスト、私はなんの疑いもなく男性だと思っていたが(ジャズミュージシャンみたいな名前だとも)、女性であることが解説を読んでいたらわかった。サムはサマンサの略なのかな。女性だから、男性だから、というのは作品とは関係ないと思う。思うが、作品を観る前にそのことを知っていたらどうだっただろう、と考えた。

一人で来て時間を気にせずブライアン・イーノの作品の前で座ってぼんやり佇んでみるのもいいかもしれない。

鷹野隆大の『電動ぱらぱら』、モデルになっている人たちがみな(全員ではないが)きれいだと思った。

夫と交代すべくファミリールームに行った。おなかがすいたので先に食事しようということになり、美術館付属のレストランに行く。私はチーズとスープとパンのセット、夫はシーフードと季節野菜のカレーを注文。
料理が出てくる前に娘がぐずり始めたので外に連れ出してしばしウロウロ。

レストランの人が呼びに来てくれて、娘にバゲットを渡すとむしゃむしゃぱくつき始めた。娘はバゲットが好きらしいのだ。
夫のカレーのごはんも喜んでぱくぱく食べてどんどん要求。炭水化物大好きの、炭水かぶ子である。おかげで夫はごはんなしのカレールーばかりを食することとなった。
私の頼んだマロンケーキも一緒にぱくぱく食べる。バゲットの残りを持たせてレストランを出て、ベビーカーを借りて乗せると、バゲットをかじりながらおとなしくなりそのまま寝てしまった。

この状態でゆっくりお茶でもしたいところだったが、食事したばかりだったので断念して買い物して帰った。

雪景色の庭も綺麗だったし、半日遊べたし。あわただしい毎日の中で、時間の隙間にこれらの映像作品がすっと入り込んできたような気がする。夫も私もゆっくり(完璧にゆっくりのんびり、というわけにはいかないまでも)鑑賞することができて、この二人時間差攻撃、これからも活用したい。

夜は家でオリビア・ニュートン・ジョンのライブDVDをおしゃべりしながら見る。結構知っている曲が多いのに自分でも驚いた。
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by wumingzhi | 2008-02-24 23:20 | Art
Kを義姉・義父に預けて夫と二人で見に行ってきた。

夫と二人のお出かけは本当に久し振り。もしかして出産後初めて?
久し振りに化粧も念入りに。美容院は土曜日に行ってきたし。
このウキウキドキドキ感は結婚前ぐらいの感じ・・・。

地元の大ホール、アナニアシヴィリとはいえボリショイなどではなくグルジア国立バレエ、果たして見に来る人はそんなにいるのか? という(勝手な)心配をよそに、ホールはほぼ満員。

少しユニークな演出である。バレエ団のリハーサル風景から始まる。
王子役のダンサーがいまいち感触を掴みきれないまま稽古場で眠ってしまい、夢の中で白鳥と出会う・・・。そこからは従来の『白鳥の湖』と同じ。

王子役はボリショイのアンドレイ・ウヴァーロフ。十年ぶりくらいに見たが、やっぱりどこから見ても王子様だ。体型や気品からして、他の男性ダンサーとまったく違う。

そして第一幕第二場で初めてオデット姫が登場するシーン。
周りの人たちはみな拍手していたが、私は拍手するのも忘れて見入ってしまった。
たとえは変かもしれないが、鷺娘を踊る玉三郎が最初に舞台に現れるときみたい。はっとして、呼吸をするのも忘れるような。

ニーナは鳥だった。怯えて切なくて痛々しいほどの。
それが王子と出会って恋を知り、人間の心を少しずつ取り戻していく。息をするのももったいないくらい、ステージ上の彼女から目が離せなかった。

アナニアシヴィリが日本で白鳥を踊るのは11年ぶりらしい。だから私も11年ぶりに彼女の白鳥を見たことになる。11年前、彼女は最盛期だったと思うけれど、それから10年以上も経ったなんてことが、見ているととても信じられない。最盛期のままである。昨年出産したというのに。

第一幕の幕切れ、去り際のアナニアシヴィリの超人的な羽ばたき。
腕の関節が人より2個ずつ多いか、あるいは骨がまったくないかのような。
生の舞台を見ているのに、CG処理してるかと思うような信じられない腕の動きである。
コールドバレエ(群舞)の中に、こんな手の動きの人は誰もいなかった。派手な腕の動きはボリショイ特有のものらしいけれど、アナニアシヴィリのこれは国宝に認定すべきだろう。

第二幕の派手な踊りの好きな私だが、今日は第一幕第二場が永遠に続いて欲しいと思うくらい素晴らしくて、入り込んで見てしまった。休憩時間になっても、「今日はもうこのまま帰ってもいい」と思えるくらい堪能した。

とは言えやっぱり第二幕も良い。
黒鳥オディールは、表情からして白鳥のときとまったく違う。
白鳥のときはずっとせつなげな表情を崩さず、合間合間に拍手に応えるときも笑顔はなかったが、黒鳥オディールは誘惑的・挑発的な笑顔を絶やさない。

今回アナニアシヴィリの黒鳥を見て思った。
王子は、黒鳥を白鳥オデットと間違えて愛を誓ったのではない。白鳥を愛しながらも、新たに出現した女性のまったく別の魅力に負けてしまったのではないか。
そう思ったくらい、妖しく魅力的なオディールだった。

ラストは王子役ダンサーが夢から醒めて、白鳥オディールの面影もまた夢の中に消え去っていくというもの。最後にまたアナニアシヴィリの羽ばたきが背中から見ることができた。ぴゅーっと行ってしまったけどね。

舞台が終わり、私も夢から醒めなければならなかった。でもとても幸せなひと時だった。バレエ熱、再燃か?!
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by wumingzhi | 2007-07-16 19:26 | Art