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三重県津市でヨガを教えています。ヨガのことだけでなく、日々のいろんなことを書いていきます。


by NAO
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日中友好歌謡祭1

コンサートは5時開場・6時開演。
しかし夫はなかなか帰ってこない。5時少し前に電話があり、
「まだ渋谷~」とのこと。
電話を切ってガイドブックを見たら、東京駅から渋谷まで、十駅くらいある。大丈夫かいな夫。
ホテルから会場の国際フォーラムまでは歩いて行ける距離らしいが、初めての場所なのでちょっぴり不安だ。

5時半くらいに夫から、
「東京駅に着いたので、駅に向かって歩いてきて」と電話がある。

小雨降る中歩いていくと横断歩道の向こうに夫が立っているのが見えた。手を振っている。
手を振り返しながら私は、夫がホテルを出るとき着ていたジャケットを着ておらず、手に持ってもいないことにまず注目した。あとは背中のリュックに入っているかどうかだ。合流したらまず問い詰めねば。
と思っていたら、夫の近くにいた道行く女性が、夫にジャケットを拾って手渡しているではないの。
雨の降る中、ジャケットを道に落としてどうするね? まったく。でも見つかって良かった。

会場までは15分ほどで迷いもせずに辿り着けた。

「走バ、走バ、走バ…」とつぶやきながら小走りに駆けて行くおっちゃんがいる。い、急がねば。
ぎっしりのエスカレーターに乗っていると、周りで飛び交っているのはほとんど中国語。ほとんどと言うか、すべて? とすら思う。日本人は沈黙しているだけなのか? それとも本当に中国人の観客ばかりなのか? ここは本当に日本なのか? と思いながら会場内のホール前扉付近に、京都から泊りがけで来ている我らがバンド仲間Oさんと、東京在住のCさんFさんの姿を見つけた。

開場5時開演6時だから5時45分現在、ホールの中に入れるはずなのにリハーサルが長引いているとかで入れてもらえない。一刻も早く坐りたかった私はちとガッカリだ。

扉前に集っている観客がだんだん怒りを募らせ、口々に中国語でホール係の小姐(もちろん日本人だ)に詰め寄り始めた。
私は過去のコンサート経験で、中に入れないのはちょっとアレだとしても普通時間ぴったりに始まるコンサートなどなかったので(たいがい30分くらい遅れる)、そないにエキサイトせんでも…と思った。
まあでも私は今来たばかりだが、中には5時から来てずっとここで1時間立って待っている人もいるのだろう。なぜか私は6時ギリギリに来たのに知人を見つけてさっさと扉前に来てしまったが。

そうするうちに人品卑しからぬ身なりの老人が出てきて、傘を振り回して「あなたではダメだ。支配人を呼べ支配人を!」と言っている(この老人はその後、たぶん娘さんと思われる家族の人が現れて引っ張って連れ戻されて行った)。

そうすると本当に支配人(かどうかはわからないが男性)が来た。
支配人は、「大変申し訳ない。どうもすみません。リハーサルが長引いております」と説明している。私は聞きながら内心、
「あーあ、この人の責任じゃないのにすみませんなんて言っちゃってどうするの。お気の毒です、くらいにしておけばいいんじゃ」と思わずにいられなかった。
「6時5分には必ず入っていただけます」と支配人が確約するので、6時を過ぎるとあるおっちゃんが、カウントダウン始めるし。

しかしみなさん文句を言っているわりには、誰かが何か言うとその都度周りで笑い声が起こったり、わめいているおっちゃんの顔もちょっと笑っていたり、ノリとしては「とりあえず文句言ってみよう」というか、こういうのも中国流の楽しみ方の一種なのかな、という気がせんでもなかった。

(こう言ってはナンですが・・・。リハの遅れは主催者側の不行き届きでしょう。会場側の小姐や支配人に文句を言うっていうのは筋違いのような。すみませんが主催者を呼んでください、と頼んで主催者が出てきたらそこから中国人同士心ゆくまで中国語で丁々発止とやりあってくださいな、という気がしました。)

支配人が確約した6時5分過ぎになり、本当に扉が開いて入場することができた。それまでの雰囲気から、いざ扉が開いたらみなが殺到して将棋倒しにならないだろうかと私はビクビクものだった。私は扉のすぐ手前に居たので、将棋倒しの下敷きになることは、今一番避けたいことだ。

しかしいざ扉が開くとみな普通に歩いて入っている。なんだか中国人てわからない、と思った。まあ、全席指定なんだから殺到する意味ないんだが。

コンサートは開演予定より30分遅れて午後6時30分から始まった。

司会は蔡国慶(歌手らしい)と蔡国平の男性二人と日本側から北川えりさん。ところで中国側司会の二人は名前が似てるけど兄弟? 
日中友好歌謡祭1_b0020550_10135248.jpg




そしてなんと、中華人民共和国駐日本国特命全権大使、王毅さんが挨拶。王毅さんですよ。本物ですよ。いつも日本との摩擦が起こるたびに怖~い顔して怖~いこと言っているあの方です。

日中友好歌謡祭1_b0020550_10141619.jpg
SP二人を連れた王毅さんはわざとなのかノーネクタイのカジュアルスタイルで、中国語で挨拶した後、「今日は通訳がなくてすみません云々」と短く日本語で付け加える。
私はナマ王毅を見れて思わず興奮してその場では何も思わなかったけれども、後から友人らの話を聞いて、ノーネクタイスタイルも通訳なしとかもわざとのことだったのかな、と思った。

ちなみに最初、カメラやビデオでの撮影はお断りという注意があったにも関わらず、王毅大使が出てくるとフラッシュの嵐。私も撮っちゃいました。だって日本語での注意はなかったもんね。

日本側からの挨拶はなかったが、観客席の王毅大使の隣席には福田前官房長官が来られていたそうです。
それと実は某国の首相が挨拶に来るという話もあったらしいけれど、そのお方が来ると中国側がボイコットするしないの騒ぎになりかねないので某国の首相はお越しにならなかったのだとか。

それでも今回のコンサートに当初予定されていて出演しなかった中国の大物歌手(とは言え私はその人に興味なく、トイレタイムにしようとしていた)がドタキャンしたのはそういうことが原因だとも言われているようで。

音楽の祭典に政治が絡んでくるのは非常に残念だし悲しいことだと思った。
by wumingzhi | 2005-10-31 09:58 | 音楽