日々のこと


by wumingzhi
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ホタルと熊野古道

土曜日。私は朝6時前に目覚めて、8時半からのヨガのクラスに参加。ひっそりと起きて出かけるつもりが、娘も起きてしまう。

ヨガから戻り、蛍を見に泊まりがけで出かけた。
去年泊まったのと同じ、コテージのある宿泊施設である。
コテージは3軒あり、一軒は一階建て、2軒が二階建て。今回は2階建てのコテージだった。近頃、2階建てのおうちに住みたいと言い出したKは大喜び。




1時間ほどでこの日の宿であるコテージに到着。

2階の部屋には既に布団が3人分敷いてある。早起きもしたことだし、たまらず横になる大人二人。窓からは森林が見え、川のせせらぎが聞こえる。
娘も早くから起きていたから、ちょっとくらい昼寝したらいいと思ったのだが、寝るはずもない。一人でワイワイ大騒ぎしながら1階と2階を行き来している娘がかわいそうになって、私はがんばって起きることにした。

旅行に来て着くなり親二人とも寝る体勢で、「静かにしなさい! 寝なさい!!」はいくらなんでも可哀想だしなあ。

山道を散歩していると、沢ガニを大量に見かけた。原っぱでかくれんぼをしたり「ぼんさんが屁をこいた」をしたりして1時間ほど遊び、部屋に戻ってから支度をしてお楽しみの温泉へ。

温泉にしっかり浸かったあと、地ビールを一気飲み。引き続いて夕食。食事のメインはすき焼き。一人分も結構な肉の量だったが、私は夫の分と二人分食べていたらあっという間におなかがいっぱいになる。あまり食べられなくて、早く横になりたい。温泉のあと地ビールを一気飲みしたのが効いたようである。

先に部屋に戻って小一時間横になっていた。
8時からはホタルツアー。マイクロバスで20分くらいのところの川にホタルを見に行く。

お天気が危ぶまれたが、幸い雨は上がった。これならホタルが飛んでいるのが見られるはず、と意気込む。

連れて行かれた川縁は去年と同じ場所のはずだが、今年はずいぶんと趣が違った。
去年は真っ暗でひっそりとしておりホタルを鑑賞する人の数もまばらであった。
今年はにぎにぎしく電飾を施され、通路には灯籠が2メートル間隔くらいに灯されている。この日と翌日はホタルまつりで、たまたま祭りに行き当たってしまったらしい。

果たしてこれでホタルが見えるのだろうか。余計なことしなくて良いのに。と思ったが、よく見ると電飾は『がんばれ日本』の文字になっており、ペットボトルを利用した手作りのランプで平和のマークを形作っている。通路の灯籠も一つ一つ手作りである。地域の人の真心が偲ばれて、これはこれで良いかと思えたのだった。

今年はまだ蒸し暑くなっておらず、数は去年より少なかったが、ホタルを見ることができて満足だ。とてもたくさんのカエルの大合唱も聴けたし。

宿に戻る車の中で娘は寝てしまった。

コテージに戻って私はもう一仕事。夕方、原っぱで遊んでいたら娘の靴と靴下が雨露でびっしょり濡れてしまった。そしてなんたることか、私は娘の靴下の替えを持ってくるのを忘れてしまったのだ。宿でもらった新聞紙を娘の靴と靴下に詰められるだけ詰め込んでから寝た。

一番最後に寝たが、一番早く起きるのである。ここの山道のトレイルランニングを楽しみにしていたのだ。
山道の入り口から1キロあたりに滝がある。これが小滝。小滝からさらに1キロくらい先に大滝がある。小滝まで行って、その先の道がどうしてもわからず去年は断念したので、今年はどうしても大滝まで行ってみたかったのだ。
去年は石ころ砂利道が今年は舗装道路になっていた。小滝まで舗装道路は続き、小滝からが本格的なシングルトラックの山道である。

大滝への道は思いがけなく頭上にあった。斜面か道かわからないような細道を少し上に上ると、はっきりとした登山道が見つかった。

ここを歩いたのだったが、細くて険しくて、足を滑らせると谷に落下するようなワイルドな道だった。谷までの距離はそんなになく、すぐ下を水が流れており、落ちても大けがをすることはないだろうと思えた。しかし朝っぱらから一人でせせらぎにはまりたくはない。必死で伝い歩いていると、山の空気はひんやりしているのに、汗が流れ落ちる。

冷や汗でしょうか?

いいえ、誰でも。

・・・失礼。

しばらくして、ここが大滝だろうと思える場所に着いた。小滝は、小滝といってもわりかし大きい滝なのだ。大滝は、さらに立派なのだろうかと思っていた。小滝より大きいというわけではなく、いくつかの滝が合わさっている場所で、その上の山奥深くから一つの流れが来ているらしい。もし私が間違っておらず、ここが大滝ならば、の話だが。

赤目を少し思わせるが、深い山の中でとてもひっそりとしている。少し不安になっても来る。体力的にはまだまだ行きたいが、やはり引き返すことにした。

大滝発見。嬉しい。先日読んだ『空白の五マイル』という本を思い出す。全然レベルは違うけれども。
明らかに存在している滝を見つけただけでも喜びや満足感があるのだから、存在がはっきりしないものを発見したときはどんな気分だろうかな。

三〇分くらい林道をジョギングしてコテージに戻る。娘と温泉に入ろうかなと思ったら、娘はテレビを見ていて温泉は入らないと言う。そこでゆっくりと一人で温泉に浸かり休憩所でマッサージ椅子を試したりしてから朝食。

前夜、あまり食べられなかったからか、おなかがすく。しっかりごはんをお代わりする。

さて、日曜日は熊野古道である。
前回のホタル見学旅行のとき、ツヅラト峠に行こうと考えていたのだが、適当な駐車場所が見つからず、娘もあまり乗り気ではなかったのであっさり断念したのだった。

今回は、近くに道の駅がある馬瀬峠に挑戦することに。道の駅に車を置いて、いざ出発!

娘の足で十分ほど行くと馬瀬峠登山道の入り口である。6~7台停められる入り口の駐車場に空きスペースがあったので、夫は一人で急いで車を取りに道の駅に引き返した。私と娘は先に登ることに。娘の足に合わせるから、夫も程なく追いつくことでしょう。

娘はなぜか、岩登りが大好きなのだ。そんな娘に熊野古道の石畳はジャストフィット!!
 だったらしく、大喜びで、というか大騒ぎで登っている。一つ登るごとに、
「わたしはとってもげんき! わたしはつよいから、ぜんぜんつかれない!!」と絶叫する。

その元気を後々まで温存しておいてほしいのに、と思うが、子供はそういう考え方はしないのだ。

とにかく1秒すら黙らない娘とともに元気いっぱい石畳を登っていた。ちょっと休憩しない? と訊いても、「わたしはぜんぜんつかれてない!!」
いや、パパが追いつくのを待たないと。思ったより良いペースで歩いていたのだ。

ところで、道の駅からたくさんの人がこの馬瀬峠目指して出発していたが、皆完全装備なので少し怖れをなしていたのだ。長袖・長ズボン・帽子・手袋・リュック・トレッキングシューズ。両手にはストック。ス、ストック!? そんなもん、要るんですか?

ストックの必要性がわかるのは、まだもう少し先のことになる。

対して私たちは普段着。夫は半袖のポロシャツにメッシュのトレパン、スニーカー、リュック。私は長袖ランニングシャツ、ランニングタイツ(ロング)+ショートパンツ、ランニング手袋、トレランシューズ、リュック。娘は普通の長袖長ズボンに運動靴。

こんな装備で良かったのだろうか? もしかして熊野古道をなめてると思われてる?

私は今回の旅に備えて雨対策に買ったトレッキングシューズがあったが、重いし、前日原っぱの斜面を歩いた感じでは特に滑らないようでもなかったので、この日は履かなかったのだ。雨も降っていないし、身軽なトレランシューズでいいや、と思って。

さて、ようやく夫がヒィヒィ言いながら追いついてきた。追いつくなり、彼は「汗をかいた」とポロシャツを脱いでTシャツに着替え始めた。着替えを持って来たのは偉いが、ここで着替えるのは少し早すぎないか? まだ序の口なのに。
ちなみに夫は娘の着替え用半袖Tシャツも持ってきていた。偉いお父さんである。私のリュックの中にあるのは、おやつとタオルだけなのに。

夜泣き地蔵の小さな祠に到着。
今回は、Kとどこまで行けるだろうの行きあたりばったり熊野古道編である。馬瀬峠は尾鷲まで抜けることができるが、今回はもちろん尾鷲まで行くつもりはない。行けるところまで行って途中で引き返すつもりできた。とりあえず、夜泣き地蔵で第一関門突破。次に目指すのは馬瀬一里塚。

雨上がりで増水したせせらぎを二カ所ほどまたぎ越す。これもKを連れていると結構な冒険と私たち夫婦には感じられる。岩のこちら側と向こう側に一人ずつ立って娘の手を握って飛び越えさせる。しかし、立っている足場は雨と苔でツルツルで、スケートリンク並みの滑り具合である。私は過去に娘を連れて小川を渡っていて娘を守って水没した経験があり、少し恐怖心が残っている。水没と言っても、足首までだが。

いつのまにか一里塚は通り過ぎていたらしい。馬瀬峠の手前500メートル地点に着いた。ここで行程の半分まで来たことになる。休憩しながら、そろそろ引き返そうということに相談がまとまった。

しかし、引き返す? 登るのもせいいっぱいだったこの道を下る? 大丈夫なんだろうか。かなりの急勾配、雨といい加減な装備のためにツルツルとスケートリンクのように滑りやすくなっているこの道を?

しかし、車を登り口に置いてきた以上、もと来た道を引き返すほかはない。
娘も引き返すことに同意する。やはり登りでの無駄な元気のために疲れてきたらしい。

三人で手をつないで降りると、一人が滑ると全員転ぶ恐れがある。そしてなるべくツルツルの大きな石畳を避けて、小さめの石の角に足を掛ける・石畳脇の落ち葉やヒノキの根の上を、シダに掴まりながら慎重に進む。

トレランシューズは濡れた石畳はまったく使えないことがよくわかった。でも腐葉土のようになった山道にはまことに具合がよろしい。こんなに素晴らしい石畳を敷き詰めた古人の努力には頭が下がるが、この日ばかりは天然自然の土の道のありがたさが身にしみた。自然は偉大だ。

何度かバランスを崩し、一度は大きな尻餅をついた私。おしりが痛いより、尻餅をついたときに両手を突いたため、肩を少し痛めたようだ(翌日のバレエストレッチでだいぶほぐれた)。

馬瀬峠まで一時間かけて登ったが、同じ道を下るのに一時間半かかった。娘は「ねむいー、ねむいー」を連発。登りで張り切りすぎた反動か。

よほど危ない箇所以外は抱っこされることもなく自力で下山した娘、最後の最後に、もう平らな道に出て、駐車場の車が見える! というところに来て滑って膝をつき、泣いた(すぐ泣きやんだ)。

帰りの車の中では娘、熟睡。
行きしな見つけてずっと気になっていた卵卵ファームというお店でプリン・ロールケーキ・シュークリームを発作的に大量買いし、マンボウ道の駅で晩ご飯になりそうなものを買い込んで帰宅。このとき買った鉄火巻が激ウマ。量が多くて、こんなに一人で食べられるだろうか(鉄火巻を食べるのは私しかいない)と思っていたが、食べ出したらおいしすぎて止まらないー。ぺろりとたいらげた。この日はイカめしコロッケが売っていなかったのが残念だった。

下り道でさんざんな思いをしたわりに、ちっとも懲りていない私。熊野古道いいなあ。馬瀬峠を尾鷲まで抜けてみたいのはもちろんだが、全熊野古道制覇!! という野望まで生じてきてしまった。なんだろう。熊野古道には何かがあります。
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by wumingzhi | 2011-06-15 20:34 | 旅日記